医療機器営業からのキャリアチェンジ
医療機器営業として培ったスキルと経験は、医療分野へサービスを提供しているITソリューション営業でも大いに活かすことができます。実際に医療機器営業からITソリューション営業に転職された方へのインタビューとともに、ITソリューション営業の仕事内容ややりがいについて解説していきます。
【私の歩んだ道】医療機器営業からITソリューション営業への転職体験談
医療機器メーカーの営業からITソリューション営業へのキャリアチェンジをした、独立系SIerの日本事務器で働くSさんにインタビュー。どうやって仕事に慣れたのか、前職との違いや、今の仕事で大切にしていることなどをお聞きしました。
担当分野:医療
「医療はなくならないもの。医療従事者でなくても、機器やシステムを通じて支えていきたい」と語るSさんは、医療機器メーカーを経て、現在は医療分野のITソリューション営業として活躍しています。大変な案件でも「やってよかった」と思えるという、今の仕事内容について伺いました。
医療とお客さまへの想いで選んだ転職先
前職はどのようなお仕事をされていたんですか?また、転職されたきっかけも教えてください。
前職では、医療機器メーカーで営業の仕事をしていました。勤務地が広島や岡山エリアだったのですが、地元が静岡ということもあり、地元に近いエリアに戻りたいという気持ちがあって、転職活動を始めました。
転職先を選ぶ上で、業界についてはとても悩みました。ただ「医療には絶対に関わり続けたい」という想いだけは強く、医療機器メーカーや販売店など複数の会社を比較検討した中で、最も自分の転職の軸にマッチしたのが日本事務器でした。
決め手のひとつは、地域密着型でお客さまをサポートできるという点です。前職では広島と岡山エリアを半々で担当していたので、広いエリアを一人でカバーする大変さを感じていました。日本事務器は拠点が多いので、エリアに根ざしてお客さまと向き合える環境があります。また、営業だけでなくSE部門や技術部門と連携してお客さまを手厚くフォローできる体制があることも、大きな魅力でした。
様々な選択肢を提供できることの喜び
前職のメーカー営業と、今のマルチベンダーはどう違いますか?
メーカーにいたころは、自社製品を覚えてその知識を深掘りしていく営業スタイルでした。ただ、提案できるものが限られている分、アプローチの幅も決まっていました。
日本事務器に転職して大きく変わったのは、複数のメーカーの中からお客さまに最適なものを選んで提案できるようになったことです。扱う商材が増えた分だけ覚えなければならないことも増えるので、そこは大変な部分でもあります。ただ、自分の判断で様々な選択肢をとれるのは、この仕事ならではの面白さだと思っています。
我々のようなSIerという立場は、お客さまに一番近い存在でもあります。製品の話だけでなく、病院全体の課題を相談してもらえる。メーカー営業の時から「お客さまに寄り添った営業がしたい」とずっと考えていたので、今の立場はその意味でとても恵まれていると感じています。
メーカー時代と変わった、お客さまとの関係性
お客さまとのやり取りで、前職と変わったと感じることはありますか?

メーカーにいたころは自分から機器の話を持ちかけるスタイルが中心でしたが、今はお客さまの方から「これどうかな」「こういうことに困ってるんだけど」と相談してもらえるようになりました。一つの相談がまた別の相談につながっていくので、やり取りの幅がぐっと広がっています。
電子カルテや病院の基幹システムのご提案では、お客さまから質問や相談をいただくことも多く、自然と訪問頻度も増え、お客さまと顔を合わせて話す機会を大切にするようになりました。「何かあればあの人に聞いてみよう」と思ってもらえる存在になれているとしたら、それが今の自分にとって一番のやりがいです。
実は最近、なかなか心を開いてくれなかったお客さまが、ふとした雑談の中で本音を話してくれた瞬間がありました。距離が縮まったのかなと感じて、頑張ってきてよかったなと思えました(笑) こういう瞬間が積み重なっていくようなお仕事です。
社内調整力が、営業の幅を広げる
社内の連携という面でも、前職と比べて変化はありましたか?
日本事務器の営業は、社内調整も重要な仕事の一つです。お客さまから注文をいただいて納品するには、SE・カスタマーパートナー・メーカーそれぞれとスケジュールを合わせ、確認事項を詰めていく必要があります。前職では上司や先輩との報連相が中心でしたが、今は社外も含めたトータルの調整を自分で回していく場面が多くあります。
お客さまの要望をすべて叶えたいという気持ちはありますが、できること・できないことがある以上、社内調整の仕方や伝え方も工夫しなければなりません。この「社内調整力」は入社してから一番鍛えられたスキルだと感じています。2年間で少しずつ視野が広がってきた実感があります。
また、価格交渉の場面も増えました。前職では代理店との交渉が中心でしたが、今はお客さま・メーカー・社内の三方向で交渉が発生します。最初は戸惑いましたが、この経験が営業としての幅を確実に広げてくれています。
知識を積み重ねることで、点と点がつながってきた
入社後、知識の習得で苦労したことや、助けてもらった場面はありましたか?
IT業界は未経験だったので、やはり入社前は不安でした。電子カルテや病院の基幹システムを提案するには、医療の知識だけでなく、パソコン・サーバーなどのハードウェアやシステムの知識も必要です。最初はお客さまとも、全く会話になっていない場面もありました。
知識を増やすために取り組んだのは、まず関連する資格の勉強です。それと並行して、先輩の同行や日々の業務の中でわからない言葉が出たらすぐに調べる習慣をつけました。SEの方々も「これはこういうことだよ」と丁寧に教えてくれるので、相談しやすい環境です。
今でも毎日のようにわからないことが出てきますが、それが一つひとつ積み重なって、最近ようやく点と点がつながってきた感覚があります。お客さまからの問い合わせに答えようとする中で育ててもらっている、という感謝の気持ちもありますね。
医療業界経験の有無より、「やる気」が問われる仕事
医療業界が未経験またはIT業界が未経験の方でも、この仕事に挑戦できますか?
今の医療営業チームには、新卒から医療一筋の方もいれば、民間業界から転職してきた方もいて、まったく異なる経歴を持つメンバーが集まっています。
私自身、医療機器メーカーにいたものの、今の仕事にその知識が活きているかというと、正直数パーセントくらいの感覚です。医療業界にいたことは確かですが、扱うのはITソリューションなので、メインの部分はほぼ別の世界と言っていいと思います。
なので、医療経験者も未経験者も、スタートラインはそれほど変わりません。大事なのは、興味があるかどうか、やる気があるかどうか。その一点に尽きると感じています。
相手の立場に立ち、自分の価値観だけで物事を決めない
仕事をするうえで大切にしている「マイルール」を教えてください。
一番心がけているのは、お客さまと認識のすり合わせて、同じ目線に立つことです。たとえば「すぐに対応してほしい」という言葉一つをとっても、私が「明日」と思っていても、お客さまは「1週間以内」という認識なこともあります。自分の価値観だけで物事を決めつけず、「ここまでの対応でよろしいですか」と都度言葉にして、確認するようにしています。
もう一つは、何かあったときにすぐレスポンスを返すこと。問い合わせもトラブルも、初動の速さがその後の信頼につながると実感しています。一人で抱え込まず、社内にすぐ相談することを意識しています。
そして、お客さまに対して誠実であること。規模が大きな案件も多く、プレッシャーがかかる場面は少なくありません。それでも誠実に向き合い続けることが、お客さまとの長いお付き合いの中での信頼につながると信じています。
目標にする先輩のように、さらなる営業の高みを目指して
10年先は、どのようなキャリアをイメージされていますか?
これからもずっと営業を続けていきたいと考えています。まず直近3年では、年間を通じて着実に成果を積み上げられる営業スタイルを築くことが目標です。5年後には支社内でトップの売上を達成して、「この人に任せれば大丈夫」と言ってもらえる存在になりたいと思っています。
10年後は、マネジメントにも挑戦してみたいです。個人としての営業力だけでなく、組織として結果を出す力も身につけていきたいとこの会社に入って思いましたし、どこに行っても通用する営業パーソンになること、そして個人と組織の両方で成果を出せる人間になることが、今描いている最終的な目標です。
私には今、目標にしている先輩営業の方がいます。その方に少しでも近づけるように、日々の業務を積み重ねていくことが今の自分にできることだと思っています。
最後に、ITソリューション営業へキャリアチェンジを考えている方にメッセージをお願いします。

正直に言うと、楽しいことばかりの仕事ではありません。大規模な案件である分プレッシャーも大きいですし、IT知識の習得はずっと続きます。クレーム対応で落ち込む日もあります。
それでも、ITソリューション営業には他の営業にはない魅力があると感じています。私の場合は、医療という社会になくてはならない領域で、病院全体に関わりながら貢献できること。情報のサイクルが早いIT業界で、常に最前線の知識を学べること。そしてSIerという立場で、自分の判断で様々な選択肢を広げられること。
医療業界経験がある方もない方も、スタートはそれほど変わらないと私は思っています。一番大切なのは、興味とやる気です。不安を乗り越えた先には、「やってよかった」と思える仕事が待っていると、自分の経験から自信を持って言えます。
Sさんが働く日本事務器は、長期的なキャリア形成と充実した福利厚生が特徴で、「腰を据えてじっくりスキルを身につけたい」「将来のことも考えて生活を安定させたい」「次の転職を最後の転職にしたい」そんな希望をもった方におすすめの転職先と言えます。
全国32都道府県に拠点があり、各エリアで随時採用を行っているので、興味を持った方はぜひ公式HPで採用情報をチェックしてみてください。
医療機器営業からITソリューション営業へキャリアチェンジできる?
そもそもITソリューション営業とは?
顧客企業が抱える業務課題をITの力で解決する提案型の営業職です。単に製品を売るのではなく、課題解決に一貫して携わります。医薬品や医療機器と異なり扱う商材はソフトウェア・クラウドサービス・ネットワーク機器など多岐にわたりますが、顧客の課題を解決するという本質は変わりません。
医療機器営業がITソリューション営業に向いている理由は?
医療機器営業で身につくスキルは、ITソリューション営業と高い親和性を持っています。医師・病院事務長・薬剤師など複数の意思決定者に働きかける経験は、組織を動かす提案力になるでしょう。
また、患者や現場スタッフへの共感力は、顧客の潜在課題を引き出すヒアリング力として自然に活かせる素地になります。医療業界の商習慣・規制への深い理解は、業界特化型の提案において競合との明確な差別化要因です。
ITの知識はなくても大丈夫?
医療機器営業が持つ業界知識は、ITソリューション営業の現場でアドバンテージになります。病院の業務フローや意思決定プロセスを熟知しているからこそ、顧客が言語化できていない課題まで引き出せるためです。研修や専門スタッフとの連携でカバーできます。医療業界への深い理解を持ったまま、ITという新しい武器を手に入れられるのが、医療機器営業からのキャリアチェンジの強みです。
医療業界がこれから直面する課題
業界特有の構造的な課題
多くの医療機関では紙ベースの運用や院内システムが複数ありながら連携ができていないなど、情報集約の面で課題があります。また、診療報酬改定や各種規制への対応が絶えず発生するため、業務改革に割けるリソースが慢性的に不足しているのが実情です。
なぜDXが進まないのか
多職種の合意形成が必要なうえ、医療情報の厳格なセキュリティ要件がクラウド活用のハードルを引き上げている側面があります。専任のIT担当者が不在なことも多く、外部業者に依頼するケースが大半です。また、費用の捻出の難しさも課題となっています。
今後の医療業界でITソリューションが果たすべき役割
深刻化する「2024年問題」と現場の負担軽減
医師の働き方改革に伴う時間外労働の上限規制、いわゆる「2024年問題」により、現場の業務効率化は避けて通れない課題です。従来の紙のカルテや手書きの指示書、対面主体のコミュニケーションは、医師や看護師に多大な事務負担を強いてきました。ここに音声認識による自動入力システムや、クラウド型の電子カルテを導入することで、事務作業を大幅に削減し、医療従事者が本来の「患者と向き合う時間」を確保することが期待されています。
「令和ビジョン2030」が描く、データ駆動型の医療改革
政府が掲げる「医療DX令和ビジョン2030」では、全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテ情報の標準化が中心に据えられています。これは単なる事務のIT化ではなく、全国の医療機関で患者情報をシームレスに共有し、個々に最適化された医療(プレシジョン・メディシン)を提供する基盤を作る壮大な構想です。ITソリューション営業には、この国策レベルの変革を現場に落とし込み、社会実装を支援する役割が求められています。
地域包括ケアと遠隔医療の可能性
今後の医療業界には、病院完結型ではない「地域全体で患者を支える仕組み」の構築も重要です。医療機関、薬局、介護施設間でリアルタイムにデータ連携を行い、画像診断支援AIや遠隔診療ソリューションを組み合わせることで、場所を問わず高度な医療を受けられる社会を目指します。医療DXは、単なるツール導入を超え、日本の社会保障制度を持続させるための不可欠なピースとなっています。
医療業界に提案する主なITソリューション
電子カルテの一元化で現場の残業と請求ミスをなくせる
システムを統合することで、医事業務の効率化や請求処理の精度向上が期待できます。記録・確認・申請といった事務作業を一元管理しやすくなるため、情報の確認漏れや入力の手間を抑えながら、医療スタッフが本来の業務に集中しやすい環境づくりを提案できるでしょう。
グループウェアとBIツールで院内の情報をひとつにつなげられる
経営指標を可視化できます。部門をまたいだ情報の分断が解消され、医師・看護師・事務スタッフが同じ情報をもとに動けるのが特徴です。
RPA導入で定型業務を自動化し医療スタッフの負担を減らせる
作業時間を大幅に短縮できます。人手不足が深刻な医療現場において、限られた人員でも質の高いケアを維持しやすくなるのが導入効果のポイントです。
日本事務器のITソリューション営業の特徴
マルチベンダーとして柔軟な提案が可能
技術を自由に組み合わせて提案できるため「この製品しか売り込めない」という悩みがありません。顧客の課題に対して柔軟な提案ができるため、自身の営業力を発揮できるでしょう。
チームで課題解決に取り組む営業スタイル
SEや専門家を巻き込み提案を組み立てるため、IT知識に不安があっても顧客との関係構築と課題の整理に集中できます。多職種を調整してきた医療機器営業の経験が、社内コーディネート力としてそのまま活かせるのが特徴です。
導入後も伴走して顧客をフォロー
納品後も運用や改善の支援を続けるため、契約後も顧客と継続的に関われます。単なる製品提案にとどまらず、導入後の定着支援や追加提案まで含めて課題解決に伴走できることが、この仕事の大きな特徴です。顧客から頼られる存在として長く関われる点も、大きなやりがいにつながります。
入社後の研修・キャリアパス
IT知識ゼロからでも一人前として活躍できる育成体制
IT未経験でも、PC・サーバー・ネットワークなどインフラの基礎知識から学び、OJTを通じて実務を習得していく育成プログラムを用意。現場では先輩社員による丁寧なサポートを受けられるうえ、創業100年を超える企業として新人研修をはじめとした教育制度も手厚く設けられています。
医療機器営業で培った力がより上のステージで活かせる職場
多彩なキャリアパスが用意されています。経験を積んだ後のキャリアパスは、営業リーダー・マネージャへのマネジメント職、上流工程に携わるITコンサルタント、既存顧客支援を担うカスタマーサクセス、大手企業を専任で担当するアカウントマネージャなど多彩です。自分の強みや志向に応じてキャリアを選択できます。
【まとめ】医療機器営業からITソリューション営業に転職して得られるやりがい
医療機器営業で磨いた課題発見力・提案力・信頼構築力は、ITソリューション営業でも即戦力として発揮できるスキルです。社会課題の解決を実感しながら自身の成長を同時に実感できる環境で働けます。
手厚い待遇が叶える長期キャリア形成

https://www.njc.co.jp/
1924年に創業し全国32都道府県に拠点を構える日本事務器(NJC)は、変化の激しいIT業界にも関わらず、平均勤続年数19年と長期的なキャリア形成を実現できる会社です。住宅・家族手当をはじめとする福利厚生、ライフステージに合わせた働き方、退職金制度など、安定して働ける体制が整っています。IT未経験でも挑戦できる研修・フォロー体制があり、幅広い業界に対応している独立系SIerなので、これまでの経歴を活かした分野で活躍することができます。
